補助金・助成金

【2021年6月最新】コロナ関連給付金・助成金・補助金まとめ(個人・法人)

令和3年4月25日の発令から長く続いた緊急事態宣言が、6月20日に沖縄を除く地域で解除されました。まん延防止等重点措置に移行した地域で、これまで休業していた飲食店の営業再開などが報じられていますが、依然として時短要請や条件付きの酒の販売が求められ、本格的な営業再開とまではなっていません。

6月16日に開かれた厚生労働省の専門家会合では、全国の感染状況について「減少傾向となり、重症者数や亡くなる人の数も減少している」とした一方で、沖縄県では依然感染者数が多いほか、東京都などでは1か月以上人出が増加し続けていて、若い世代からの感染再拡大が強く懸念されるとし、今後も対策の継続が必要としています。そういったことから、一部の支援制度の期間延長も状況によって検討されるのではないかと思われます。

今回はこうした点を踏まえ、新型コロナ不況への対応に向けた各種支援制度について紹介したいと思います。

月次支援金【個人事業主・法人向け】

令和3年4月~7月の緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業外出自粛等の影響により売上が減少した中小法人や個人事業者を対象に、事業継続および立て直しのための支援金を支給する制度です。

対象者以下のどちらにもあてはまる事業者
①緊急事態措置またはまん延防止等重点措置にともなう飲食店の休業・時短営業または外出自粛等の影響を受けている
②2021年の月間売上が2019年または2020年の同月比で50%以上減少している
給付額法人20万円/月、個人10万円/月を上限に支援
申請期間・4月分/5月分の月次支援金の申請期間 2021年6月16日~8月15日
・6月分の月次支援金の申請期間 2021年7月1日~8月31日
・7月分の月次支援金の申請期間 2021年8月1日~9月30日

出典・参考:月次支援金

事業再構築補助金【個人事業主・法人向け】

ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などの思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。

事業再構築に取り組む場合、上限1億円までを最大2/3(中堅は1/2)で補助します。さらに緊急事態宣言の影響で令和3年1月~6月のいずれかの月の売上が30%以上減なら補助率を3/4(中堅は2/3)に引き上げます。(緊急事態宣言枠は上限1,500万円)下表では通常枠の内容をご紹介します。

補助対象者中小企業、中堅企業、小規模事業者、個人事業主、企業組合等
主な申請要件①売上が減っている※こと
②事業再構築に取り組むこと
③認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
補助金額【中小企業】100万円以上6,000万円以下
【中堅企業】100万円以上8,000万円以下
補助率【中小企業】2/3
【中堅企業】1/2(4,000万円超は1/3)
対象経費建物費、建物改修費、賃貸物件等の原状回復、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等

※売上減少について:2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している必要があります。
出典・参考:事業再構築補助金

最大1億円の補助が受けられる中小企業の卒業枠や中堅企業のグローバルV字回復枠など、事業再構築補助金の詳細はこちらの記事をご確認ください。

国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援【個人・個人事業主】

新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等については、国民健康保険料が減免される制度があります。

対象者以下のいずれかに当てはまる世帯
①新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が死亡した世帯
②新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者が重篤な傷病を負った世帯
③新型コロナウイルス感染症により、主たる生計維持者の収入(給与・ 事業・不動産・山林のいずれか)が令和2年と比較して3割以上減少する世帯
減免の対象となる保険料納期限が令和3年度中(令和3年4月から令和4年3月まで)となっている、令和2年度分と令和3年度分の保険料

出典・参考:国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援について|厚生労働省保険局国民健康保険課・総務省自治税務局市町村税課
財政支援の対象となる減免措置は、市町村の国民健康保険に加入している被保険者の属する世帯に係る保険料(税)について、市町村が条例に基づいて行った減免措置となるようですので、詳しくは各地方自治体までご相談ください。

 

傷病手当(全国健康保険協会 )【個人】

対象者以下のすべてを満たした健康保険の被保険者が支給対象
・業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
・仕事に就くことができないこと
・連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
・休業した期間について給与の支払いがないこと
受給金額・傷病手当金が支給される前年の標準報酬月額 ÷ 30日 × (2 / 3)

出典・参考:新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給に関するQ&A
出典・参考:病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)【個人・法人向け】

雇用調整助成金は、雇用保険適用事業所が労働者に対しての休業手当の取り決めを行っている場合に対して、国がその支払いを助成するものになります。下表では雇用調整助成金の特例の原則的な措置地域特例、業況特例をご紹介します。※()内の割合は、解雇を行わなかった場合の助成率となります。

【原則的な措置】対象事業主雇用保険に加盟しており新型コロナウイルス感染症の影響により売上が前年同月比で5%以上減少している者
助成対象となる労働者雇用保険被保険者、被保険者でないパート・アルバイトも対象
助成率中小企業:4/5(9/10)
大企業: 2/3(3/4)
助成上限金額1日当たり13,500円
【地域特例】の対象者「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」の対象地域で、知事による基本的対処方針に沿った要請に基づいて、営業時間の短縮等に協力する企業
【業況特例】の対象者売り上げ高等の生産指標を、直近3か月間の月平均値と前年同期または前々年同期の月平均値を比べて30%以上減少した全国の企業
助成率中小企業:4/5(10/10)
大企業: 4/5(10/10)
助成上限金額1日当たり15,000円

出典・参考:雇用調整助成金|厚生労働省

雇用調整助成金については現在の助成内容を8月末まで継続すると公表されています。詳細は以下の記事にてご確認ください。
雇用調整助成金の特例措置はどうなる?特例措置は9月末まで継続予定

新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金【個人】

事業主が雇用調整助成金を利用しないために休業手当の支給を受けることが出来ない労働者を対象に、自らが申請を行うことで休業前賃金の80%(一日最大11000円)の休業支援金を受給することが出来る制度です。

申請者中小企業の労働者(大企業に雇用される労働者も対象となる場合があります)
対象者令和2年4月1日から令和3年6月30日までの間に、新型コロナウイルス感染症等の影響により、事業主の命により休業した中小事業主の労働者
給付率80%
助成上限金額1日あたり11,000円(令和3年5月からは9,900円※が上限)

※上限額について:緊急事態措置またはまん延防止等重点措置を実施すべき区域の知事の要請を受けて、営業時間の短縮等に協力する施設(飲食店等)の労働者は、令和3年5月1日~令和3年6月30日の期間11,000円となります。
出典・参考:休業支援金・給付金|厚生労働省

新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金【法人向け】

令和3年1月1日から3月31日までの休暇に関する申請期限は令和3年6月30日です。

要件以下の要件にすべて該当する事業者が対象となります。
・対象の子供の世話を保護者が行うために雇用する労働者に対し有給休暇を取得させた事業主
・与えた有給休暇は年次有給休暇でないこと
・通常の有給休暇と同額賃金が支払われること
・有給取得者が申請時点で1日以上の勤務実績があること
・雇用保険適用事業所であること
・支給のための審査に協力すること
対象の子供・臨時休業等をした小学校等に通う子供
・新型コロナウイルスに感染した子供など小学校等を休む必要がある子供
・新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患等を有する子供
助成内容有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10(15,000円/日を上限)

出典・参考:小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設しました|厚生労働省

▼なお、特別有給休暇を取得した日が令和3年4月1日以降の場合は、両立支援等助成金(育児休業等支援コース)の「新型コロナウイルス感染症対応特例」の対象となります。
両立支援等助成金 育児休業等支援コース「新型コロナウイルス感染症対応特例」のご案内

小学校等の臨時休業に対応する保護者支援 【個人】

【申請期限】
仕事が出来なかった日が令和3年1月1日から同年3月31日までの期間については、令和3年6月30日まで(私書箱に必着)

対象者小学校等が臨時休校した場合やコロナウイルスに感染した子どもの世話を行うために契約した仕事ができなくなった個人で仕事をする保護者の方
受給額7500円/日
実施主体厚生労働省

出典・参考:新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)

企業主導型ベビーシッター利用者支援事業(特例措置)【個人・法人向け】

新型コロナウイルス感染症によって、小学校等の臨時休業等になった場合に、保護者が仕事を休んだり放課後児童クラブ等も利用できず、ベビーシッターを利用した場合の利用料金を補助するものになります。以下は、個人で就業する方向けの措置内容です。

対象者以下のいずれかに当てはまる方
①個人で仕事をしている(自営業、フリーランスなど)
②配偶者が仕事をしていたり、ひとり親であったりして、ベビーシッターを利用しないと働き続けられない
③新型コロナウイルス感染症の影響で子供の通う小学校や保育所等が休校・休園等になっている
内容小学校や保育所等が臨時休校・休園となった場合に使える割引券(2,200円/枚) が支給されます。
・1日の上限枚数:5枚/人
・1ヶ月の上限枚数:120枚/家庭
年間の上限枚数:上限なし
利用手続き全国保育サービス協会から委託を受けた団体(※)に対して、
必要な枚数を申し込み、郵送されてくる割引券を受け取りご自身でベビーシッター事業者に利用申し込みを行います。

上記以外の、企業に勤めている方が利用する方法としては、努めている会社の福利厚生等の担当者に対して必要な枚数を申込、会社から割引券を受け取る形になります。

出典・参考:<個人で就業する方> 特例措置の概要|内閣府

4月1日以降に割引券の交付前にベビーシッターを利用した場合については一旦利用料金を全額支払い、割引券が交付されたのちにベビーシッター事業者に割引券を提出することで割引額の返還を受けることができるようです。ただし、返還を受けるためには利用日次と金額が確認できる領収書等が必要となるので必ず保管しておきましょう。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(低感染リスク型ビジネス枠)【法人向け】

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する補助金です。また、新型コロナウイルスの影響を受け、社会経済の変化に対応したビジネスモデルへの転換に向けた前向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に補助率を引き上げ、広告宣伝費・販売促進費も補助対象に含める「新特別枠」として低感染リスク型ビジネス枠を設けて優先的に支援します。

補助対象者ア 【中小企業者(組合関連以外)】
イ 【中小企業者(組合関連)】
ウ 【特定非営利活動法人】
対象事業中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等
補助上限1,000万円
補助率2/3
設備投資単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要
補助対象経費【 低感染リスク型ビジネス枠】機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝費・販売促進費

出典・参考:ものづくり補助金総合サイト

小規模事業持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)【個人事業主・法人向け】

小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させる取り組みを支援する補助金です。

補助対象者小規模事業者
対象事業ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に取り組み、感染拡大防止と事業継続を両立させるための対人接触機会の減少に資する前向きな投資を行う事業
補助金額100万円
補助率3/4
対象経費機械装置等費、広報費、展示会等出展費(オンラインによる展示会等に限る)、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、設備処分費、委託費、外注費、感染防止対策費※

※感染防止対策費は、補助金総額の1/4(最大25万円)が上限。ただし緊急事態措置に伴う特別措置を適用する事業者は、感染防止対策費の上限を補助金総額の1/2(最大50万円)に引き上げることができます。なお、これは補助上限額100万円に上乗せして交付されるものではありません。また、感染防止対策費のみを補助対象経費に計上した申請はできません。
出典・参考:小規模事業持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)
持続化補助金は、ホームページ制作、広告、店舗改修、新商品開発など幅広い目的で活用できることで人気の補助金です。詳細はこちらの記事にてご確認ください。

IT導入補助金(特別枠:C・D類型)【法人向け】

ITツールの導入に活用できる補助金で、令和2年度第3次補正からは通常枠(A・B類型)に加え、低感染リスク型ビジネス枠 (特別枠:C・D類型)も追加されました。ここでは特別枠をご紹介します。

補助対象者中小企業・小規模事業者
対象事業低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)は非対面化ツール※の導入が必須です。また、D類型に関してはクラウド対応されていることも条件となります。
補助金額30万円~450万円 (テレワーク対応類型は30万円~150万円)
補助率2/3
対象経費ソフトウェア購入費用及び導入するソフトウェアの利用に必要不可欠なハードウェアのレンタル費用と関連するオプション・役務の費用

※非対面化ツールとは、事業所以外の遠隔地から業務を行うテレワーク環境の整備をはじめ、人と人との接触の機会を減らしたり、遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルへ転換(業務形態の非対面化)して、労働生産性の向上を目的としたITツールをさします。
出典・参考:IT導入補助金2021低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D 類型)公募要領
A類型・B類型を含む、IT導入補助金についてはこちらの記事をご確認ください。

まとめ

今回は政府が新型コロナへの対応として実施している緊急経済対策を中心に、現在申請することが出来る、支援制度について紹介しました。

7月23日からはじまるオリンピックは1万人を上限に観客を入れて開催される見通しとなり、今後の感染状況の推移も非常に気になるところです。事業者の方は各種支援制度を活用し経済対策や感染症対策を進めていただきたいと思います。

参考:補助金ポータルより