これまで「NFTアート」や「暗号通貨」や「ブロックチェーン」のことが気になっていましたが、私は見て見ぬ振りをしていました。
重要な技術であり、おもしろいことであることは、なんとなく想像できたのですが、奥が深そうで向き合う気持ちになれなかったのです。
例えるなら、いまからポケモンを全部覚えたり、『ジョジョの奇妙な冒険』を全巻読んだりしないといけないように、気が重くなるからでした。
同じ理由でドローンもVR(仮想現実)も見送ってきました。メタバースも薄目で見ています。
しかし、ブロックチェーンや暗号通貨は、もはや目を背けても、視界に入ってくるところまで来てしまった感じがします。
玄関前にゴリラが来てしまったような、ごまかせない状況になってしまいました。
そういうわけでNFTアートをやってみました(どうでもいい導入部ですみません)。
NFTとは
「NFT」とは「Non-Fungible Token」(非代替性トークン)の略で、唯一無二なトークン(資産とか)のことで、ブロックチェーンの技術で作られます。
自分の作品をNFTにすることで、作品がオリジナルなものであることや、誰の手に移ったかなどが、しっかり記録されます。なので、まったく同じような作品があっても、出どころを探れば本物かどうかわかります。お宝鑑定団がいらないのです。
デジタルデータなら、右クリックして保存すれば買わなくても手に入るのではとよく言われますが、NFTアートは、権利とか、作者とのつながりとかを買うという方が近いのかもしれません。たぶん。
自分の作品をNFTにして売買する場所は、「NFTマーケットプレイス」とよばれています。有名なのは「OpenSea」で、ここで主に使われる暗号通貨はイーサリアムというものです。
自分の作品を出品したり売買するときに、ブロックチェーンを使います。その際に「ガス代」とよばれる使用料が発生します。イーサリアムだと、このガス代が高い(数千円はかかる)のです。もっと気軽にやりたいところです。
そういうわけで、テゾスというブロックチェーンを使うことにしました。これだとガス代が安く、数十円で出品や売買ができるので、ちょっとやってみるにはちょうどいいと思いました。
と、いろいろ書きましたが、わかりましたでしょうか。わからないと思います。私も実際にやってみるまでわかりませんでした。
テゾスを買ってウォレット(財布)に入れる
暗号通貨といえば、ビットコインとかイーサリアムは聞いたことがあったのですが、テゾスというのは初めて聞きました。ブロックチェーンごとに通貨があって、それぞれのブロックチェーンに長所と短所、できることとできないことがあります。
暗号通貨は、暗号通貨取引所で買います。最近テレビCMで、よく見かけますよね。取引所によって、扱っている暗号通貨が異なるので、気をつけてください。私は「bitFlyer」を使いました。
アカウントを作って、本人確認の書類(運転免許証やマイナンバーカード)を写真に撮って送信します。すると、すぐに取引できるようになります。
ネットバンクなどから、bitFlyerに送金したら、暗号通貨を買うことができます。とりあえず1万円を入金して、買えるだけテゾスを買いました。18テゾスを購入(このとき、1テゾス=544円でした)。
NFTマーケットプレイスで暗号通貨を使うためには、ウォレット(財布)が必要になります。テゾスには、「Kukai」や「Temple」というウォレットがあります。とりあえず、Kukaiにして(いい名前だと思ったから)、先ほど買った暗号通貨を送金しました。
ここまで一晩でできてしまいました。やってみたら、すぐできるものですね。
そして、出品
テゾスのマーケットプレイスにもいくつかあるのですが、その中でメジャー(?)らしい「Hic et Nunc」というところにしました(なんと読むのかわかりません)。
サイトはシンプルですが、反応が遅かったり、プロフィールの画像が反映されるまでに時間がかかったりと、いろいろ不安になりましたが、なんとか準備はできたようです。プロフィールをアップしたりするのにも、若干のガス代(数円)がかかりました。
ユーザー登録をして、Twitterアカウントを連携させて、自分であることの証明をします。そして、以前に描いた絵(文鳥タロットカード)などを出品してみました。値段は0.1テゾス(60円ほど)。数量も決められるので、50枚だけの限定販売としました。
数時間で何枚売れるだろうと期待しつつ、夜もおそくなったので眠りました。
……
……
翌朝、ひとつも売れていませんでした!
こんなにかわいいのに。
どうやら宣伝が大切らしいです。たしかにそうだよなと、Twitterでハッシュタグを付けて、ツイートしました。
やっぱり売れませんでした!
そもそも、私のフォロワーにテゾスを持っている人は、きっとひとりもいません。暗号通貨に馴染みがなければ、ガバス(「ひょっこりひょうたん島」の通貨)やペリカ(「賭博黙示録カイジ」の通貨)といった想像のものと変わらないから、頭がおかしくなったと思われたかもしれません。
もしハッシュタグから検索した誰かが見つけてくれても、よくわからない人の絵を買うかというと、むずかしいと思います。
小学生が出品したNFTアートが数百万円になったという記事がありましたが、あれはイラストに独創性があって、さらにインフルエンサー(海外の有名なアーティスト)が購入して紹介したこともあったのだろうなと思いました。
簡単に儲かるはずないかと数日間放置していたところ、テゾス自体が値上がりして(1テゾス=700円)、2,500円の含み益ができました。作品はひとつも売れていません。
DeFiというのもやってみた
そのあと、なんと1つ売れたのですが、購入者を調べると、私にテゾスのことを教えてくれたAさんでした。なんじゃそりゃ。
そして、Aさんが言うには、DeFiというのもあって、これをやると暗号通貨がじわじわ増えると。そんなうまい話あるわけないじゃないですかと思いつつも、気づいたらやっていました。乗りかかった船です。
調べたところ、DeFi(Decentralized Finance)に、DEX(Decentralized Exchange)分散取引所というのがあって、その中のPancakeSwapというBinanceのブロックチェーンを使ったところに預け入れしておくと、流動型なんとかで、CAKEというものがじわじわ増えるらしいということがわかりました。
しかも、増えたCAKEを自動的に元本に回すサービス(beefy.finance)もあり、それを使うことで複利で増えていくと。さっそく全テゾスをバイナンスに変えて、さらにパンケーキにして、ケーキが増えるのを待ちました。自分が何をしたのかわからなくなりましたが、実際にじわじわ増えて、3,000円ほど増えましたが、いろいろやりすぎて日本円にもどせるか心配です。
もし失敗したら、あきらめようと思っていた1万円ですが、1万5,000円ほどになりました。もし10万円使っていたら15万円に……と考えるのは、やめておきましょう。
まとめ
暗号通貨を買って、入金したり、アプリで使ったりと、実際にいろいろ活用してみることで、仕組みをほんの少しですが見ることができました。まだ、やったことのない方は、少額で試しにやってみるとよいのではと思いました。
NFTアートから始まり、ブロックチェーン、スマートコントラクト、それらを使ったサービス、コミュニティなど、調べるとおもしろい事例がたくさん出てきて、なんでもっと早く知ろうとしなかったのかと後悔しました。
NFTアートやDeFiでお金を増やすというのは、全体の一部で、ブロックチェーンを使うことによって実現する「Web3.0」とよばれているような、中央集権型から分散型へのダイナミックな動きがあって、そのことは知ることができてよかったと思いました。
これから、ブロックチェーンの技術が、生活の中でより使われるようになる一方で、私はブロックチェーンを何か役に立たないことに使ってみたいなという気持ちになりました。勉強します。
参考:マイナビニュースより