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SNSマーケティングとは?具体的な手法や事例をもとに解説

SNSマーケティングとは?

SNSマーケティングとはソーシャルメディアを活用したマーケティング手法です。FacebookやTwitter、Instagramなどのツールを活用します。いまや、特に若い世代の間では情報収集はSNSで行われています。 従来、情報収集をするためにはインターネットで検索をしていました。今ではSNS上で興味のあるアカウントや友人とつながっていると、検索しなくても自動的に注目度の高い情報が流れてきます。このように、SNSは拡散力があることも魅力の一つです。ユーザーが投稿をシェア、コメントすることにより情報は拡散していきます。 それに加え、SNSは双方向のコミュニケーションが可能です。顧客とのコミュニケーションを通じてロイヤリティを向上させることもできます。SNSに登録されているユーザー情報を元にデータを収集することもできます。SNSは既に単なるコミュニケーションツールではなく、マーケティングにおいて欠かせないツールなのです。

SNSの利用者は年々増加している

SNSの利用者は年々増加しており、日本国内における2019年末時点のネットユーザーは約9960万人、そのうち78.2%に当たる約7786万人がSNSを利用しています。この数字は年々増え続け、2022年末には8241万人にまで増える見通しです。

SNSマーケティングのメリット

メリット1:コストを抑えても効果が期待できる

SNSの利用料は無料です。広告掲載をしないくとも、日々の発信で情報を拡散することが可能です。

メリット2:顧客と関係を築きやすい

SNSは、双方向にコミュニケーションを行うことができます。顧客に一方的に発信するだけでなく、顧客側からの発信を受け取ることも、それに反応することも可能なのです。

メリット3:ターゲットにしていない層にもリーチできる

雑誌掲載や検索エンジン上の公告では、特定の狙ったターゲットにしか情報を提示できません。SNSであれば、さまざまな層の顧客にアプローチできます。

ほかのマーケティング手法との比較

Webマーケティング

インターネットを利用して行われるマーケティングの総称です。インターネットを利用して行われるマーケティングにはいくつか種類があり、Webマーケティングはその総称として広義の意味で使われる場合もあれば、WebサイトやWebサービスを活用したマーケティングという狭義の意味で使われることもあります。 WebサイトやWebサービスを活用することで、比較的低コストで行える点も特徴の一つです。そして、実施結果を数値で管理して検証することができるため有効な戦略が立てやすくなります。 具体的には、SEO対策、リスティング広告、メールマーケティング等があります。 SNSマーケティングはインターネットを活用するという点では、広義の意味でWebマーケティングの一種です。Webサイトを使ったマーケティングの場合、ターゲットを絞って情報を発信することが可能です。しかし拡散力は少なく、Webサイトを構築するための知識やスキルが必要な場合もあります。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングも、Webマーケティングの手法の一種です。価値あるコンテンツを制作し提供することで集客します。ブログの執筆もコンテンツマーケティングです。オウンドメディアやブログで配信したコンテンツは、資産としてWebサイト上に蓄積されるため、長期にわたって効力を発揮します。 しかしSNSとは異なり、成果が出るまでに時間がかかります。ファンを獲得する上でコンテンツマーケティングは有効ですが、SNSのような拡散力はなく、情報を求めている人のもとにしか届きません。

O2Oマーケティング

O2OとはOnline to Offlineの略です。オンライン上で来店の動機となる具体的なメリットを提示して、実際の店舗への来店を促します。飲食店によるクーポンの配信などです。オフラインでビジネスを展開する企業には非常に有効です。O2Oマーケティングはほかのマーケティング手法と合わせて利用されることもあります。クーポンをSNSやWebに掲載することで効力を最大化できるという手法です。

一つに絞らず組み合わせることも可能

以上のように、さまざまなマーケティング手法があります。マーケティング手法は決して一つに絞る必要はありません。コンテンツマーケティングで作成したブログを、SNSで拡散させるなど組み合わせることにより両方の効果を期待できます。

SNSマーケティングに欠かせないツールを紹介

SNSマーケティングで欠かせないツールは、SNSそのものです。ここでは、各SNSごとの特徴をご紹介していきます。

Facebook

国内のユーザーは30代後半~50代が多く、比較的年齢層が高いのが特徴です。ほかのSNSと違うところは実名制であることです。一人ひとつのアカウントしか作成できないため、正確な属性情報を元にアプローチが可能です。

Twitter

国内のユーザーは10代~40代が多く、幅広い年代が集まっています。情報の拡散力が強く、リアルタイムで多くの情報が集まります。Facebookと違い匿名性が高いため、正しくない情報が出回る危険性も高いという特徴があります。

国内のユーザーは10代~40代が多く、幅広い年代が集まっています。情報の拡散力が強く、リアルタイムで多くの情報が集まります。Facebookと違い匿名性が高いため、正しくない情報が出回る危険性も高いという特徴があります。

国内のユーザーは10代~40代とTwitter同様にユーザーの幅が広いSNSです。男性よりも女性のユーザーが多いのが特徴です。画像や動画の投稿をメインとした、視覚的に伝わる情報が集まります。

SNSマーケティングの手法と事例を紹介

上述のとおり、マーケティングにおいてSNSの重要性は高まっています。具体的にどのような方法でSNSマーケティングをえばいいか、いくつか事例をご紹介します。

よく使われる5つの手法

SNSアカウントの運用

公式アカウントを作成して、情報を発信する方法です。ユーザーとのコミュニケーションを行い関係性を構築し、自社サイトに誘導することで新規開拓を行います。企業対消費者の関係性ではなく、個人対個人の関係で運用を意識することで多くのファンを獲得することができます。SNSの利用者は軽い気持ちで投稿を眺めています。プロモーション用の売り文句ではなく、日常の発信や、堅苦しくない親しみやすい投稿にユーザーは惹かれます。

SNS広告

各SNSでは広告配信サービスを行っています、年齢、性別、仕事、趣味、興味などを設定してターゲットを絞って配信することも可能です。SNS広告はターゲティング精度が高く、Facebookでは98%の精度でターゲットに対して広告を表示できます。

キャンペーン企画

SNSを通じてユーザー参加型で行います。新規フォロワーの獲得や自社キャンぺーンの情報拡散など、目的に応じて手法を変化させるのが良いでしょう。例えば、自社製品を利用した感想をハッシュタグ付きで投稿した人のなかから、抽選でプレゼントを送る、特典の投稿にコメントやリツイートを行った人のなかから抽選で割引券などを送る、などのキャンペーンを実施します。

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーとは、SNSなど特定のコミュニティにおいて強い影響を与える人物のことです。インフルエンサーに依頼して自社製品やサービスをPRしてもらうことで、多くのフォロワーたちに情報を拡散できます。また、得意なジャンルをもっているインフルエンサーもいます。飲食店に詳しいインフルエンサーに飲食店の情報をPRしてもらうことで、高い訴求力をもつプロモーションが可能となります。

ソーシャルリスニング

SNSを通して消費者の意見収集を行うことです。ユーザーの属性や好感度、競合の分析など市場調査に有効です。アンケートではなく、SNSの気軽な投稿を元にしているため、ユーザーの率直で自由な意見を集めることができます。

実際にあった事例を解説

シャープ株式会社

シャープ株式会社はSNSアカウントを効果的に用い、多くのファンを獲得しています。Twitterのフォロワーは約82万人です。ユーザーからのコメントに丁寧に対応する、コミュニケーションを重視した運用をしてます。あくまでSNSアカウント担当者個人としての発言をしており、ユーザーのメリットを第一に考えています。そのため自社にない製品をユーザーが探していた際には、他社の製品を紹介することもあります。

オイシックス・ラ・大地株式会社

健康野菜を販売するオイシックス・ラ・大地株式会社は、Facebook広告のメリットである細かいターゲティングとターゲットに合わせた効果的な広告運用によって成果を上げました。30代~50代の主婦層に対して、「いいね」や「行動履歴」を分析しターゲットの選定を行います。そしてサービスの分かりやすさを重視して、お得感をアピールするような広告を運用したところ、サイト訪問者が1.7倍にまで増加したとのことです。

株式会社ロッテ

大手製菓メーカーの株式会社ロッテは、Twitterでキャンペーンを実施しました。まずキャンペーンページ上で雪見大福をトーストに乗せて食べるレシピを公開しました。同時にTwitter上で「なぜ、人は雪見をトーストにのせるのか?」をお題に大喜利形式で理由を募集しました。その際に「#禁断の雪見トースト」を付けての投稿を促します。結果、ユーザーが積極的に参加して大いに盛り上がりを見せました。SNSを活用してユーザーが思わず参加したくなるキャンペーンを打ち出した例です。

Wayfair

Wayfairはアメリカの家具ブランドです。インフルエンサーとタイアップしてUGCコンテストを開催しました。UGCとはユーザー生成コンテンツのことです。ユーザーが自分でコンテンツを作成して、「#WayfairAtHome」をつけて投稿します。その中から素晴らしい投稿を選定して、公式アカウントで紹介しました。結果ハッシュタグの数は4万件を超え、大きな反響を生み出しました。

SNSを活用して人事採用業務にも応用する

企業の採用活動にもSNSが使われています。特に新卒採用において活発に使われています。SNSと馴染みの深い20代とコミュニケーションが取れるため、企業、求職者の双方にメリットがあります。

SNSでの採用活動「ソーシャルリクルーティング」とは

SNSでの採用活動である「ソーシャルリクルーティング」は、日本では2010年頃から導入され始めました。SNSではメッセージ機能を使い一人ひとりと直接コンタクトを取ることができるため、採用活動のニーズとも合っていたのです。SNS上であれば、面接よりもリラックスした状態でコミュニケーションが取れるので、応募者のリアルな姿を知ることができるのもメリットの一つです。 採用に関して、SNS上でPRすることも可能です。学生のフォロワーがいれば、同じような情報を探している学生に拡散されて、より多くの人に知ってもらえる切っ掛けにもなります。また、普段SNSでどのような発信を行っているのか、何に興味をもっているのかを知ることもでき、入社後のミスマッチを防げるというメリットもあります。

採用活動に応用する際のポイント

発言には配慮が必要

SNS上での発言は、良くも悪くも拡散力があります。軽率な発言が元となり、いわゆる炎上をしてしまうケースも考えられます。

定期的な発信が必要

多くの人に認知してもらうためには、定期的な情報の発信が欠かせません。採用時期のみの発信ではなく、日頃から情報を発信していくことで多くのフォロワーを獲得できます。

スタンスを確定する

個別のコメントに対して返信するのか、メッセージはどのような文面で行うのかなどスタンスを確立することは大切です。一部のコメントに対してのみ返信してしまうと、返信のないユーザーからの不安が高まります。

SNSマーケティング運用上の注意点

SNSマーケティングは低コストで始めやすいため、多くの企業が活用しています。効果的な運営をするために、注意点を確認しておきましょう。

SNSマーケティングで失敗しないために

SNS運用の目的を決める

企業として運用するからには、目的を設定して戦略的に運用しましょう。認知度を高めるため、SNSから購入に結びつけるため、自社のホームページへのアクセスを促すため、など目的は企業ごとにさまざまでしょう。目的を設定してブレない運用を心がけましょう。

ツールによってアプローチを変える

各SNSごとに特徴や機能の違いがあります。また、どの層のユーザーにアプローチをかけたいのかによっても変える必要があります。同じ内容であっても、SNSの媒体ごとに反応は変わってくるため工夫と各SNSの知識が必要です。

宣伝を強調しない

SNSのユーザーは自分の興味のあるものを探しています。気楽に眺めるているため、一目で広告や宣伝と受け取られてしまうような投稿は、ユーザーにとって邪魔なだけです。ユーザーの興味を引くような情報発信が必要です。

媒体ごとの注意点

SNSごとにユーザーの層や特徴が異なります。各SNSを効果的に運用するための注意点をご紹介します。

Facebookの注意点

Facebookは広告のターゲティング精度が非常に高いため、SNS広告を使う際に有効です。ビジネスに活用しているユーザーが多いため、日常的な発信よりも、ユーザーに役立つ質の高い発信を行うことが重要です。

Twitterの注意点

Twitterは最大140文字と一つの発信に文字数制限があります。そのため、長い文章を発信することができません。タイムラインの流れが早く、投稿が少ないと、投稿を見られる前に流れてしまうこともあります。そのため、日常的な何気ない情報も含めて、投稿数を多くすることを意識しましょう。

Instagramの注意点

Instagramは写真や動画の投稿がメインです。購買行動への影響力が強く、購買の意思決定のための情報ツールとして活用されています。そのため、質の悪い画像を投稿することは避け、綺麗でクリエイティブな見栄えのいいコンテンツを投稿することが大切です。いわゆる「インスタ映え」を狙った写真が多いなかで、自社のコンテンツを目立たせるためには、ある程度のクオリティは必須です。数より質を重視しましょう。

参照:Schoo for Businessより