イーサリアムの8人の共同創設者の一人で、古くからのブロックチェーン会社Decentralの創設者兼CEOビットコイン支持者として知られるアンソニー・ディ・アイオリオ(Anthony Di Iorio)が、暗号通貨の世界から引退すると宣言した。
このニュースは7月16日にブルームバーグが最初に報じた。ディ・イオリオは、2013年にイーサリアムの立ち上げに出資者として参加し、2018年のフォーブスの「暗号資産分野の富豪ランキング」で彼の保有資産は7億5000万~10億ドルとされていた。
彼は、自身の身の安全に不安を感じていると述べ、「多くの場合、暗号通貨は世界が必要としているものではない」と警告している。
「暗号通貨は、世界が必要としているもののごく一部だ」とディ・イオリオはブルームバーグに語り、「私は暗号通貨の専門家になるのではなく、さまざまな複雑な問題に取り組む人物になりたい。
必要に応じて暗号通貨とも関わるが、多くの時間は割かない」と述べている。 現在46歳の彼は17日のコインデスクの記事で、暗号通貨から離れるという決断によって、身の安全に関する不安が軽減されると語っている。
ディ・イオリオは2017年以来、身辺警護を専任のセキュリティチームに任せており、旅先には常に警備スタッフが同行している。
ビットコインと暗号通貨の価格が数千パーセントも高騰し、多くのアーリーアダプターは莫大な富を得ているが、そのせいで彼らが犯罪者や窃盗犯の標的になるケースも増えている。
また、暗号通貨は匿名性が高いため、警察が盗まれた資金を回収できない場合が多いのも事実だ。
報道によると、ディ・イオリオは、来年中にトロントに拠点を置く自身の会社Decentralを売却し、慈善財団を設立することを検討中という。
また、パラグアイの国会議員でビットコイン支持者のカルロス・レハラのコンサルティングをしながら、ゼロエミッション車の会社に関わっていると報じられている。 Decentralの評価額は数億ドルに達する可能性があるが、ディ・イオリオは、暗号通貨で会社を売却することは否定しており、法定通貨や株式での売却を望んでいる模様だ。
昨年、イーサリアムの価格は、分散型金融(DeFi)への関心の高まりを受けて急上昇した。DeFiは、貸し出しや保険などの多くの伝統的な金融サービスを、イーサリアムのブロックチェーン上の暗号通貨テクノロジーに置き換えることを目指している。